道具は同じでも、アーティストによって作り上げられる世界観は様々 ───。
例えば、同じ一つのパーティクルや、光を用いるにしても、作品によってその使用目的や、メッセージが同じことはない。
更にアーティストの好みや、持ち味が違えば、ソフトウェアのパラメーターの組み合わせは無限、表現の仕方も限りないといえるだろう。
モーショングラフィックス・VFXアーティストの佐藤隆之氏の作品【The Moment of Beauty】を見ると、その表現方法で際立つのは、圧倒的な繊細さだ。この繊細さはどのように生み出されるのだろう?
この【The Moment of Beauty】の創作過程を紐解く本解説、第二章で注目するのは、その繊細な世界観を構築する上で大きな要となるツール、パーティクル生成プラグインの【Trapcode Particular】だ。この Particular は、作品の全編に渡り多用されているが、解説から、その一つ一つのパーティクルオブジェクトは、比較的シンプルな複数の Particular のアニメーションを堅実に組み合わせて作られていることが判る。
佐藤氏はそのパーティクルの繊細な表現を、Particular からどのように引き出しているのか? 佐藤氏の Particular 活用法に迫ってみる。